紅炎と雷炎 ①



翔「触るなって…言ってん、だろっ!!」


あたしを離れさせようと必死に暴れるが、震える身体で押されてもびくともしないあたし。


翔「離れろ! 俺に…っ、触んな!」


誰が見ても怖がってるって分かる。


美樹「翔、大丈夫だよ。 何が怖いか、あたしには分からない。 けど、ここには怖いものなんて無いよ? 陣や陽、千尋やあたし、不服だけど、晃もいる」


そう言うと、後ろから晃の怒鳴り声が聞こえてきたが無視。


あたしは翔の背中を擦りながら、


美樹「落ち着いて。 もう大丈夫だから、落ち着こう。 何かあったらあたし達が全力で守ってあげるから! ね?」


少しでも怖くないように、優しく言うと、暴れなくなった。


美樹「怖いものは無い。 楽しいものだらけだよ? だから、大丈夫だよ」


少しずつ、ホントにすこしずつ震えが治まってきた。