翔「ん? どうし……っ、止めろ!!!!!!」
美樹「え?」
ボールへ伸ばした手を翔にふり払われた。
…そんなことより、
美樹「どうしたの! 翔?」
翔が震えていた。
あたしが大声を上げると、陣たちがいそいで駆け寄ってきた。
陣「どうした!」
美樹「分からない。 翔がいきなり震え始めて…」
陣「何をした」
美樹「あそこのボールを取ろうと思って、手を伸ばしただけ」
陣「それだ」
それって何?
陽「ごめんね、美樹ちゃん。 俺らの口から理由は言えない」
ってことは、翔の過去のトラウマを引き出しちゃったってことだよね…。
晃「翔…大丈夫か?」
あの晃がなだめてる。
翔「俺に、…っ、触るな!」
翔の背中を撫でようとした、晃の手を翔は振り払った。
美樹「ちょっ!」
陽「いいんだよ、みきちゃん。 いつものことだから…」
悲しそうな顔をして言う陽。
みんなの顔を見ても、陽と同じように悲しそうな顔をしていた。

