いつものように家を出て、
最寄りの駅から電車に乗り
何駅か通り過ぎた時だった
プシューー
電車のドアが開き、
見知った面子が乗り込んでくる
と
その集団が入り
電車が出発する直前に
彼女が入ってきた
「………あ。」
おもわず声が出た
[何か違う]という
観察眼の訴えと帰りの電車で
広告を見たときにひかかっていた
[何か]が繋がった
どこから見ても優等生の格好に
ソレはとても目立っていた
彼女の襟元からは
"黄色のリボン"が
下がっていたのだ
明らかに学校指定のリボンや
ネクタイとは違う―
"明るい黄色のリボン"を
付けていたのだ
彼女があまりにも自然に
身に付けていたので
最初は気付かなかった
なんで気付かなかったんだろう…
と少し負けた気分だ
しかし、
それほどまでに彼女は
そのリボンを自然に
身に付けていた
言ってしまうと
とても似合っていた―
そんなことを思っていると
彼女は優先席から離れて行き、
いつの間にか着いていた駅に
降りて行った………
一体どれほど
彼女を見ていたのだろう……
と
顔が羞恥で赤くなったのは
その直後だった―

