「…なんかいいですね
兄妹って、」

「お前も一人っ子じゃないだろ?」

「なんでもお見通しなんですね」

「俺のはあくまで直感だって」



カップを傾けながら言った
話題が逸れたので少しほっとしたが……




「いますよ、姉が2人」

「お前、あまり恋したことないだろ」




いきなり矢が飛んできた




「なんで今の受け答えで、
そんな答えが出るんですか?」



当たっていたので内心驚いていたが、
わりと平静を装う声が出た



「姉ちゃんがいる男は
女の本性、知ってるから
そういう気が失せるんだって
その口かなって思っただけ」

「へぇー……」



その理屈は初耳だったが
確かにそう思う節はある……



というか有りすぎる。




「…でもそれが理由で
しない訳じゃないないですね、僕の場合」

「ふーん…………
よほどのことなのか、お前が恋愛しない訳」

「えっ?」

「直感じゃなくて、
顔に出てるぞ、お前」

「……………」



何も言わないままカップに口をつけた

お湯であることを忘れて口をつけていたあたり
きょどっていたのはバレバレだが、関係なかった






ますます苦い顔になったのは
言うまでもないことだ。