とんでもない二の矢が
飛んできた日の翌日、
僕はいつものように
銀色の箱の中に乗り込んだ
相も変わらず
車内は蒸し暑いままだ
うちの会社は
クールビズが今どき
行われていない類のものなので
この時期の電車移動は
はっきり言って苦だ
会社に着くまでと思い
おもわずネクタイを緩めようと
手をかけて
‐趣味の一環だと思って‐
昨日、
彼に言われたことを
思い出した
確かに彼女のことは
気になるけど
それって
一歩間違えたら
犯罪なんじないか……?
と
チキンな僕は思ってしまう
この世に生まれて
20数年経つが
一般的な社会教養はあっても
恋愛・異性に対しては
からっきしだった……
故に今、
僕が置かれている状況に関しても
まともな判断ができない
でも、ひとつだけ確かなことは
彼女のことが気になる
という事だ
彼女の訴えていることが
気になる………
というより
否応なしに目に入ったのだ―

