「…支木さんも
人間観察が趣味なんですか?」





変なことを聞いてる
と分かっていながら聞いてみる




「いや、俺の場合は直感」


笑ってそう答えた





この人に対する
警戒レベルが上がったのは
僕だけの秘密だ


相談するなら
第一にこの人にするだろうが、
とんでもない二の矢が
飛んでくることは覚悟しろ

とかそんな感じだ





勘は鋭すぎると刺さった時に痛い





「悪い、話が逸れたな
変わった子がいたんだっけ?」

「あ、はい
なんかその子のことが
気になって」

「どんな子だったんだ?」

「えーと……」




その時気付いた

彼女の姿は思い出せるが、
彼女の存在を説明するのが
むずかしいことに……







あまりない語彙を
必死にかき回し、
彼女のことを伝えようとした






何故そんな風に思ったのか
その時は分からなかったが……





「表現しづらいですけど…
私はここにいるって
必死に主張しているような
感じの子でした

騒いだりとか、
派手だとか、
そういうんじゃなくて…

なんというか……」