少し寂れた
小汚ないアパート。
こんな事思っちゃ駄目なんだろうけど…


奈々は携帯をずっとカチカチしたまま
全然話さない。

何時まで待てばいいんだろ?
というより,何処に行ってるんだ?
しばらく待ってると
男三人が歩いてくる人影が見えてきた。

あれかな…?

『彼氏来た!おーい!』
「遅い登場だね。どれ?(笑)」
『真ん中(笑)』

奈々が手を振ってると
真ん中のヤンキー風の人が
小走りで近づいて

『ごめんごめん。こんばんは。俺,健ね。コンビニでさ,何がいいか分かんなくて時間かかった(笑)あ,初めましてね?えーっとはる?ちゃん?』
「こんばんは…」

間近で見ると凄い怖い!
色々買って来てくれたみたいだから,良い人なんだろうけど…
髪が…金で後ろだけ長いって!(笑)
もろヤンキー!

『けーんー,寒い(笑)』
『あ,家入ろか(笑)ごめんね。』
「こんな時間に家大丈夫なんですか?」
『ああ(笑),姉しか住んでないから。大丈夫』

ふーん。
奈々と彼氏はいちゃいちゃ
しながら階段を登ってく。

『嫌味やんな(笑)』
『階段くらい一人で登れっての(笑)』
「…」

階段の灯りで彼氏さんの
友達二人が照らされて
見たら…(笑)
一人は黒髪だけど
もう片方 灰色…
怖っ…!