「・・・結城サン???」
「あっ!はい!」
後ろから急に声をかけられて、びっくりした。
背が高くて、茶色のふわふわの髪。
黒ぶちの眼鏡をかけてて、すごく優しい目をしていた。
―佐々木とは、全然違う。
「えーっと、今日から担当になる、椎名!よろしくね」
私は椎名先生につられて、席へ座った。
「ゆ、結城りな・・・です。よ、よろしくお願いします」
椎名先生は、ほほ笑んだ。
「りなチャン、塾休みがちって聞いたから、来てくれて本当にうれしい!これからも来てくれると嬉しいな・・・」
え・・・。塾の先生がそんなこと言う!?
でも、本当はすっごく嬉しかった。
「あ。はい!」
「りなチャンは笑ってるほうがいいと思うよ!塾嫌かもしれないけどさ、
俺と、一緒に頑張ってみない?」
一緒・・・
佐々木の時とは考えられない言葉だった。
心臓がうるさくて、静かになってくれない。
なんでだろ・・・。
こんなキモチ、初めてだ・・・。

