病院に戻ると、彼女は個室に移動していた。

少しだけ暖かくなった手を握る。

「ごめんね、実夕。」

まだ彼女は寝ている。

この小さな手を、

本当は守ってあげたい。

彼女を、

本当に本当に大好きなのに、

殺してしまいそうになる。

涙がいつのまにかあふれて、

ポタリぽたりと落ちる。

彼女の手を握ったまま、

僕は一緒に寝てしまった。