あたしの怒鳴り声を聞いて響輔さんは困惑したように目をまばたいた。




「響輔さんのバカっ!


鈍感っ!





家まで上げて、部屋まで入れて!どうでもいい人だったらここまでしないし!



響輔さんはちっとも気付いてない。



近づきたいのに、遠のくばかり」




「お、落ち着いて…」


響輔さんは困ったように眉を下げてあたしの肩に手を置いた。


「…遠いってことはないですよ…俺なんてただの大学生だし…


ヤクザやけど(←注:超小声)


ほら」


そう言って無防備に顔を近づける響輔さん。


「分かってない……


響輔さん、何も分かってなんかない!」


あたしは涙目で響輔さんを見上げると、近づいた距離を一層近づけて






自分から響輔さんにキスをした。