。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




変なの。


大好きな男の人があたしの家でごはん食べて、


そんでもって今はあたしのベッドに顔を伏せて眠っている。


よく教室で男子が居眠りしてる光景は目にする。


でもそれに対して何の感情もなかった。


だけど響輔さんの寝顔を見てると、


どうしようもなくドキドキする。


どれぐらいそうやって響輔さんの寝顔を眺めていただろう。


ヴーヴー…


響輔さんのジーンズでケータイが鳴ってる。


でもその振動にすら気付かず響輔さんは深い眠りの中。


疲れてるのかな。起き出す気配ゼロ。


だ、誰だろう…


もしかして朔羅かな。


帰りが遅くて心配してるかも。


そんな純粋な思いで響輔さんのジーンズからそぉっとケータイを抜き出すと、サブディスプレイに





着信:一結





の文字があった。


―――……


「いちゆい……いちゆうって言うのかな…」


字からして女の子っぽい。


すぐにはピンとこなかった。


着信がずっとあたしの手の中で鳴り響き、その音が一つ鳴るたびに


あたしの中で一つ一つの文字が浮かび上がり繋がった。


朔羅がよく「イチ」って言ってる。


その女の人は元モデルで女優の“you”


その二つの単語を合わせると



イチユウ


ドキン…


心臓が嫌な音を立てた。


何で……さっきまではあんなに楽しかったのに…あんなに幸せだったのに…


鳴り響くケータイの音が



あたしを言い知れない不安に陥れる。