「え―――……?」
「ヤクザやから?」
またも聞かれて、あたしは慌てて頭を振った。
「怖い、なんて一度も思ったことありません」
「あんまり喋らないし、リコさん困ってるかなーとか…」
「そんなこと!」
一度もない。
「何を考えてるのか分からない、とかよく言われるんですよね」
響輔さんが自嘲じみてちょっと笑うと前髪をぐしゃりと掻き揚げた。
響輔さん……
あたし…もしかして響輔さんを傷つけちゃった…?
確かにあたしは何を喋ろうかすっごく悩むけど、でも無口な響輔さんがイヤとかじゃなくて。
き、緊張してるだけなんだけど。
ちょっと心配になって覗きこむと、響輔さんは顔を伏せたまま
欠伸をしてました。
「……すみません…今日色々あってなんか疲れてるみたいです…」
響輔さんは―――ヤクザのくせに怖くなくて、何考えてるのか分かんないけど、でもそれは
凄くマイペースだからだと思うよ??
「眠……ちょっと…すみません…」
響輔さんは耐え切れず、と言った感じでベッドに顔を伏せる。
究極のマイペースだなぁ。
本当に疲れてるみたいで、響輔さんは長い睫を伏せてすぐに心地良さそうに寝息を立てた。
…てか、普通女の子の部屋で寝る??
まぁあたしを女とこれっぽっちも意識してないからだろうけど。
響輔さんの整った寝顔を眺めてため息。
でも
悔しいぐらいかっこいい寝顔を見て
キュン
あたしの心臓が鳴った。
やっぱり
好き。



