それから数分後だった。
「お父さんね、これからまた出張なんだって。
着替えを取りに戻っただけみたいよ。
だからキョウスケくん悪いけど、もうちょっとここで待っててくれる?」
とお母さんがあたしの部屋に状況報告しに来た。
「すみません」
響輔さんが悪いことなんて一つもないのに、響輔さんは律儀に謝って頭を下げる。
なんだかまたも変な成り行きになって、部屋の中で奇妙な沈黙が降りた。
部屋の中で二人きりは嬉しいけど、何を話していいのか分からない。
それは響輔さんも同じだったのか、居心地悪そうに突っ立っている。
「ご、ごめんなさい!とりあえず座ってください」
「気にしないでください」そう言って響輔さんは苦笑いを浮かべながらその場に腰を降ろす。
こ、こーゆうときってどうすればいいんだろう。
とりあえず何か話さなきゃ…
でも
か、会話が……
さっきはあんなに楽しそうに食事の話とかできたのに、急に出来なくなってあたしは一人であたふた。
朔羅と響輔さんて普段二人きりのとき何を話してるんだろ…
(朔羅が一方的に喋ってるだけです。響輔は頷くだけ♪)
響輔さんの向かい側に腰を降ろしてじっと俯いていると
「俺ってそんなに怖いですか?」
折りたたみ式のテーブルに頬杖をついて、ふいに響輔さんがあたしに問いかけてきた。



