「パパにフラれた?可哀想にね」
私はわざとチャラけて肩をすくめた。
一結は大きな目を細めると私を睨み上げてきた。恐ろしいほど整った顔立ちの美少女が睨むその姿は
随分迫力があった。
「いい加減にしてよ。そこをどいて。
じゃないと警察呼ぶわよ。しつこい変態がまとわりついてきますって」
「変態とは失礼だな。
私が君のお友達になってあげようか―――と思ったのだが」
私が唇を尖らせると
「はぁ?」
一結は今度は顔を歪めて奇異なものを見るような目つきで私を睨む。
「新手のナンパ?ならお断りよ」
一結は鬱陶しそうに顔の前で手を振る。
私は今度こそ大仰に肩をすくめた。
「悪いけど、女としての君に興味はない」
大体にして歳が離れすぎている。私はロリコンではない。大人の女が好きで
それにもっとグラマーな方が好みだし、口が悪い女よりも頭が良く品位がある女が好きだ。
十朱 一結に転ぶならば、志紀子ともとっくに寝ている―――
比べる相手が間違いだろうが、ようはそう言うことだ。一結はタイプではないが志紀子は守備範囲内。
「志紀子叔母さんのことは聞いてる?
私は彼女とは古い友達なんだよ。
だから君とも友達になりたいんだ」
私が説明すると一結は一応は興味を持ったのか車内に入ろうとしていた体を正した。



