。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




二人の言い合い…と言うか一結の怒鳴り声はヒートアップしていったが、その数分後


鴇田に電話が掛かってきて、その話し合いも中断された。


「イチ、話ならまた後で聞く。悪いが今は仕事中だ」


鴇田は冷たく言ってエントランスを引き返す。


「ちょっと!!」


一結はまだ言い足りないのか怒鳴り声を挙げていたが、やがて諦めたのか長い髪を揺らして石段を下りてくる。


赤い車の前の私とばっちり目があった。


一番最初に目を合わせたとき






彼女は




泣いていた。




大きな印象的な目から零れ落ちる一粒のしずく。その滴がきらり、太陽の光で反射してきらきらと光っていた。




「やぁ」


何と切り出していいか分からず、私が手を挙げると


「何よあんた。鴇田の舎弟……?には見えないけど」


一結はグイと乱暴に目元をぬぐいピっと車を開錠。


私の答えを聞かずして一結は運転席側に回り込むと、ドアを開けた。


私は車の天井に頬杖を突き反対側からその姿を眺めた。


「何よあんた。どいてよね」


二言目に聞いた言葉は



生意気だった。