―――それが一結の写真だった。
ハチミツ色の長いサラサラ髪。肌は白く―――背も高いほうだろう。
つり上がり気味の大きな目が印象的で、対象に鼻も唇も耳のパーツでさえも小作りだ。
だが不釣合いと言うわけではなく、その顔に散らばったパーツのどれもがしっくりくる。
「おや…誰かに似ていると思えばあなたに―――」
私は写真を掲げると十朱 志紀子の顔の横に持ち上げて二人を見比べた。
「似ているのは当たり前よ。
従姪(じゅうてつ:従姉妹の子)ですもの」
「ああ、なるほど。けれどこの娘の監視と言うのは?」
意味が理解できなくて私は乱暴にウィスキーを飲みほすと、タバコを取り出した。
一本咥えて火を点けようとしたが、フリンジホイールは虚しく空回り。
カチッカチッと虚しい音だけが響いた。
「私に子守をしろ、と?何故」
「殺しより大変な仕事だということは重々承知しているわ。
彼女は私の従姉妹の娘で、父親は
あなたもよぉく知っている鴇田組の次男坊
鴇田 翔」
鴇田の名前を聞いて私はフリンジホイールを回す手を止めた。
タバコをくわえたまま十朱 志紀子を見据える。
「引き受けた。
随分面白そうな話じゃないか」
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