何かの雑誌に載ってた。
『カレの気持ちを掴みたかったらカレの胃袋を掴め』って!
しかもサンマを焼くだけなら絶対に失敗はないよね。料理が苦手なあたしだって作れる筈。
よし!がんばるぞぉ!
「ほかには?ほかには何が好きですか?」
「他には?うーん…」
そんな感じで食事の話ばかり話していたらあっという間に駅に着き、ゆっくりとした足取りなのにようやく家についた。
もぅ終わっちゃった…
もっと、もっとお喋りしたかったのに。
もっともっと距離を縮めたかったのに。
「今日は突然すみませんでした。それじゃ、おやすみなさい」
響輔さんはいつものように何事もないように帰っていっちゃう。
あたしの気持ちなんてこれっぽっちも知らずに。
これっぽっちも気付かず。
ううん
あたしがそれらしい行動とってないからだ。
気付かなくて分からないのは当たり前だよ。
「あ…あの!」
ガシッ
あたしは響輔さんのカットソーの裾を両手で引っ張って思わず引き止めた。
響輔さんが振り返る。
またも引き止める口実なんて考えてなくて、あたしが口をぱくぱくさせていると
ガチャッ
「リコ~?帰ったの??」
突然玄関の扉が開いて、お母さんがエプロン姿で顔を出した。



