俺は昨夜イチと電話で会話した内容をそのまま響輔に伝えた。





「〝鏡”――――………」




一通り話し終えて響輔は考えるように口元に手をやり口の中で唱えた。


「せや。何のこっちゃ分からへんけどな、でも意味はあるんやと思う」


「ええ……そうですね…」


「それから倉庫の焼死体…あれもどうやらスネークの仕業やないらしい。


あいつは




クリーナーや」


「クリーナー……?」


響輔が顔を上げて


「向こう(アメリカ軍)での隠語や。プロやったら遺体をその辺に捨てとかんで、遺体を酸で溶かしてきれいさっぱり跡形もなく流すんや。


その手口はよぉ暗殺者の使うもんや」


俺の淡々とした説明に響輔は口元を押さえてリアルに顔色を青くさせている。


「朝には聞きたない話ですね」


「夜でも聞きたないで?それはそれはもの凄い悪臭だとか……人間を溶かすんやから狂っとるしか言いようがないで。


まだ龍崎 琢磨の方が可愛いもんや」


「どっちもどっちですよ。それを平然と言ってのける戒さんの神経が分かりません」


きっぱり言われて


お前なぁ!人がせっかく説明してやっとるのに!!