。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。





でもそんなこと今はどうだっていい。



あたしに取引できるカードなんて最初からなかったんだ。


あたしにできるのは―――




「響輔を―――助けて。


お願い」





唇を噛みながら玄蛇を見上げると、玄蛇はうっすらとまたも悲しそうに眉を下げて


「御意」


短く答えた。




――――


玄蛇は軽々響輔を抱きかかえて、あたしのベッドに寝かせると


「きれいなシーツを、あとお湯が欲しいな。


ソーイングセットなんてものがあると嬉しいが」


手際よくあたしに指示。


あたしは言われた通りのものを用意しながら


「シーツとお湯ならあるけどソーイングセットなんてあたしが持ち歩くと思う?


フロントに持ってこさせるわ」


と電話を取りあげようとすると


「冗談だ。ソーイングセットで縫合なんて普通しないよ」


玄蛇は軽く笑ってスーツの中から小さな小さな銀製のケースを取り出した。


あたしの手の中から受話器が滑り落ちる。


「じょ、冗談ですってぇ!!!


この状況で良くそんなこと言えるわね!」


目を吊り上げて玄蛇を睨むと、玄蛇はまたも「ははっ」と渇いた笑い声を挙げ


「君はそうじゃないと。笑ってるより怒ってるのが君らしくて好きだ」


口の端でシーツを切り裂いた。


何よ、あんたSに見えてやっぱM。


と思ったけれど、玄蛇が切り裂いた白いシーツと同じだけ白い歯がちらりと見えて


その仕草が妙に色っぽく手何故だか


ドキリと胸が鳴った。