正直、朔羅がどうなろうとあたしには関係ないけど、自分の知らない何かが起ころうとしていることは見過ごせない。
特に響輔のことは―――
何があっても助けたいし、守らなきゃならない。
「答えなさい!あんた朔羅に何したの!!
何をしようとしているの!」
あたしがぎゅっと響輔を抱きしめたまま玄蛇を睨み上げると
「頭の良い君なら薄々勘付いているんじゃなかな」
玄蛇は軽く肩をすくめて勝気にちょっと笑って顔を近づけてきた。
「それよりも私と取引しないか」
新たな提案にあたしは目をまばたいた。
ここに来てまたも取引―――
あたしに取引できるカードはもう残ってない。
「これ以上深く詮索しない、と約束してくれたら
君の腕の中の大事な王子様の手当てをしよう。
私なら使われた薬品が何なのか分かる」
玄蛇はほんの少し眉を下げて強引に口の端を和らげた。
「それ―――……だけ……?」
「それだけさ。幸いにも鷹雄 響輔はブピカインのせいで意識がない状態だ。
だから途中で目覚める心配もない。
どれだけ強靭な男でもこの薬で一発ノックアウトだが、ここまで来れたのはまさに奇跡だね。
よっぽど君のことが心配だったんだな」
あたしのことを―――……



