「あたしは大丈夫よ、それよりくだらない理由だったら今は無理。
帰って」
もう玄蛇と仕切り直しとか考えてないけれど、途中までにせよ玄蛇とそうゆう雰囲気になったことを悟られたくなくて
あたしはいつもよりそっけなく言って顔を逸らした。
首筋に残ったキスマークをいつ見られるか分からない。
そんな焦りからか、あたしは意味もなくその場を触り…その行動が―――
響輔の目に留まった。
「どないしたん。怪我でもしたん?」
響輔があたしの手に触れ、あたしはそれを乱暴に払った。
「別に!大したことじゃないからっ!」
いつになく大きな声が出てあたし自身驚いた。
響輔は―――
あたしの行動に特別な感情を抱かないと思ってた。笑うことも悲しむこともない―――と。
だけど
「大したこと―――あるやん」
響輔の目は明らかに“怒り”を浮かべていた。
「大したこと、あるやん」
もう一度言われて響輔の手があたしの手首を掴む。
強引に掴れあたしは悲鳴を挙げた。
「離して!」
「離さへん!」
玄蛇と同じ台詞を言われ―――
今度は戸惑いよりも―――すごくすごく
悲しくなった。
響輔はあたしの首筋に浮かんだ痕を凝視していた。



