あたしははだけたローブを慌てて合わせ、体を起こすと玄蛇を見つめた。
玄蛇は少し寂しそうに眉を寄せ
「行っておいで」
と扉を目配せ。
体を起こしたはいいけど、扉を開けるか開けないかは別。
あたしは
「でも……」
と、ここに来て渋っていると
玄蛇はあたしの手首を掴んでそっと立たせ、
「行きなさい」
とあたしの背中をそっと押す。
「玄蛇―――」
彼の名前を呼ぶと
「行きなさい」
もう一度彼はつぶやき
「今日だけは美しい君に免じて彼には手を出さない、そう約束するよ―――」
くっさい台詞だったけれど、玄蛇がそう言ったらそうなのだろう。
響輔には手を出さない―――
その約束ごとに頷くと、
玄蛇は両手を軽く挙げ、苦笑い。
あたしは
玄蛇の腕からすり抜けて
扉に向かった。



