******************

** 戒Side **




くっそ!


朔羅が消えた後、俺は一旦は朔羅の眠っていたはずの病室に向かった。


一人見張りをさせていた響輔が心配だった。


くそっ!


何度目かの悪態を口の中でつく。


何故俺自身も朔羅についてなかったのか―――


ついてたらこんな事態にならなかったはず。



だがいくら考えたってもう遅い。



とりあえずは響輔だ!急げっ!!


俺はしんと静まり返った廊下を走った。


病室にたどり着くと、そこだけ嵐が過ぎ去ったかのような荒れ具合だった。


ベッドの羽毛布団は羽が舞い散り、シーツは切り刻まれ、椅子は粉々。


あちこちに窓ガラスが割れた形跡があり、ワゴンは横倒しになって薬品類が散らばっている。


その中で



ぐったりと倒れている響輔を見つけて



「響輔っ!!!!」



俺は響輔の元に走り寄った。