あたしの(リコも戒も一緒に考えてくれたが)案は結局ボツになっちゃったけど、


たくさんの人に食べてもらえて良かった。


「おいしい」とも言ってくれたし。


考えた甲斐があった。



完全に捨てちゃわなくて良かったな―――





――――

「ごちそうさまぁ♪今日は呼んでくれてありがとね☆」


リコが玄関先でにこにこ。


いや、呼んだのあたしじゃねぇけどな。


でも


楽しかったのは事実だ。


「あたしこそありがと。夜も遅いし、千里ちゃんと送ってやれよ」


千里にしっかり言い聞かせると、


「おうよ」と千里は頷いたが、


「一ノ瀬じゃ頼りになんねぇよ。


おりゃっ」


そう言って戒はキョウスケの背を強引に押す。


バランスを崩したキョウスケがあがりがまちから足を滑らせる。


「何するんですか」


沓脱ぎに落とされたキョウスケは迷惑そうに戒を振り返った。


戒はキョウスケの迷惑そうな問いかけを無視して


「良かったな川上~響ちゃんが送ってくれるってよ♪」とリコににこにこ笑いかける。


な・る・ほ・ど!♪


「え゛!?」


リコが慌てて顔を上げ、


「いいよー、俺一緒の方向だし」と気が利かない千里。


「いや、千里じゃ頼りないな。何せあの辺は暴漢が出たぐれぇだからな」

※Cherry Blossom 参照♪


「確かに……暗くて危ないですね。俺、送っていきます」


キョウスケがあたしたちの意図にも気付かず素直に頷き、そのままスニーカーに足を入れた。


「キモ金髪!千里と別の道で帰れ。いいな!」


あたしがキモ金髪に耳打ちすると、


「え…でも……」とキョウスケの方を見る。


「言う通りにしろ」あたしがドスを含ませてキモ金髪を睨むと


「は、はい!」とキモ金髪は直立不動。


「キョウスケ、今日は帰ってこなくていいぞ~?♪」


あたしがキョウスケに手を振ると


「はぁ?」とキョウスケは思い切り不審顔。


「ちょっと朔羅っ!!」


リコは真っ赤になってたけど、でもそんな二人を追い出し、あたしと戒は顔を見合わせてにんまり。



題して



キョウスケ★リコ ラブラブ大作戦だ!



がんばれ、リコ!!