ドサッっ―――!


男は私を受け止め、私は男に受け止められながら二人して派手に芝生の上に倒れて転がった。


私の体重だけじゃ大したことないだろうが、それに落下の重力が加わっている状況でまともに起き上がれるはずがない。


案の定、男は首の後ろを押さえて苦しそうに呻いている。


げほごほっ


肋骨の一本でも折ったのか、激しく咳き込んで


だが


「……っつー……」


眉をしかめて首を動かしている。


すぐに息ができるとは。驚くほどタフなヤツだな。


私はこの男のおかげで衝撃を免れたが、だが男はちょっとやそっとで起き上がる気配はなさそうだ。


私はむくりと起き上がると、拳銃を構えて男に向けた。


男は転がったまま首の後ろに手をやり片目をひそめて私を見つめてくる。


「……うさぎちゃん…どうしちゃったの?僕だよ……」


そう呟いた声は弱々しかった。


誰だよ、お前は。


知らねぇよ、こんなフザケタ男は。


「貴様、何もんだ。


白虎の者じゃないな」


「白虎??違うよ、僕は青龍会の鴇田組の構成員だよ。


…てか何の冗談?新しい遊び??」


青龍会?この男は我が一族の末裔だと言うのか―――


私は額を押さえた。


頭痛がしてきた。


「こんな男を世に作り出した親の顔が見てみたい」