二発、三発……と銃口から弾が発射され


俺の周りで


「ぐわぁっ!」

「ぁあっ!」


悲鳴を挙げて次々と倒れる男たち―――


その男たちの誰もが肩や足など急所をわざと外されて被弾している。


狙いをはずしたわけじゃない。


腕がいい―――!


いつの間にこんな技を覚えたのか。



朔羅は最後に残った俺へ銃口の先を向けてきた。



「死にたくなかったら去れ」



俺の手にはデザートイーグル



それを構えると


朔羅も同じように奪った拳銃で俺を狙い―――


けれどその銃口は俺を捉えることはなかった。


俺の背後から「こっちから銃声が聞こえたぞ」


男たちの新たな追ってがきて



「ちっ」


朔羅は短く舌打ちすると


目の前のガラスに飛び込んだ。






ガシャンガシャン



派手な音が聞こえ―――















だろ―――








朔羅は窓を突き破ると、あっさりと飛び降りた。



飛び降りる瞬間、部屋の明かりが朔羅の白い肌や白衣の裾に反射して


キラキラ


美しく輝いていた。






光輝く







黄金の







龍――――






その姿に一瞬目を奪われた。


朔羅が飛び降りた先は―――建物内の中庭になっている






はず。





はず―――と断定できないのは、照明を落とした中庭でその姿が捉えられなかったからだ――


「くそっ!」


俺は破れた窓から恐る恐る下の様子を伺い見たが、当然ながらそこは底が見えない闇が広がっているだけで
何も見えなかった。







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