階下に居る男が発砲する前に、手すりを滑り降りた朔羅の…勢いをつけた強烈なキックの方が一歩早かった。


男は顎を蹴り上げられ、あっけなく後ろに倒れる。


その倒れた男から拳銃を奪うと


今度はその銃口を俺に向けてくる朔羅。


「朔羅っ!待て、俺だ」


と言ったが当然ながら朔羅は俺の言葉なんて耳に入っていないのだろう、躊躇なく俺へ銃口を向け


轟音を轟かせて撃ってきた。



間一髪、俺は壁に隠してその弾から身を守ったが、


朔羅はそれ以上の攻撃を諦めて先に回避を先決させたのか、階段を下りていく。








だろぉ!!!?




「朔羅!」


俺も朔羅の後を追ったが、俺が追い越した男たちがいつの間にか俺に追いついてきて朔羅の居る方へと拳銃の先を向ける。


「やめろ!撃つな!龍崎組のお嬢だぞ」


俺が叫ぶと


朔羅は振り返って拳銃の先を俺たちの方へと向けた。


「私を追ってくるな!じゃないと撃つ」


朔羅は言ったが、


だが


「あの女は危険人物だ!」


男の一人が拳銃を先を朔羅に向け


「やめろ!」


俺の願いもむなしく





「交渉決裂だな」



朔羅は冷たく言って拳銃を構えなおしてスライドを起こすと、トリガーに手を掛けた。