状況を掴めたはいいが、俺は益々混乱に陥れられた。
何故、朔羅が響輔を―――
派手な物音はまだまだ続く。
「朔羅!!響輔っ―――!」
必死に呼びかけるも二人に届かないらしい。
「ねぇ龍崎くん!朔羅も居るんでしょう!どうしたの!!?」
川上が大事そうに記事を抱きしめ、俺の腕に縋ってくる。
「俺にも分んねぇよ。
ただ、
何かが起きてる」
何かが―――
その〝何か”が分からなくて俺は目を開いて前髪をぐしゃりと掻き揚げた。
「とにかく俺は御園に行く。お前は帰れ。また連絡するから」
さすがに川上相手だと響輔や一ノ瀬みたいに怒鳴るわけにはいかず、声を押さえながら道路を走るタクシーを探した。
「イヤだよ!あたし一人で帰るなんて」
当然川上はごねて
「分かってるけど、俺にも状況が把握しきれてないんだ。
頼むから今は家に帰ってくれ。俺はお前まで守り切れない」
さっきはあんなに躊躇したのに、今はいとも簡単に川上の肩を抱き、
その華奢な肩をぽんぽんと叩いた。



