――――
――…
「普通、強請る相手って言やぁ鴇田だろ?
そう思わね?」
駅までの帰り道、俺は川上に問いかけた。
川上はちょっとだけ眉をしかめ
「何で鴇田さんなの…?」と質問に質問で返してきた。
「あれ、お前知らねぇの?あ、そっか…あの場に居なかったからな。
鴇田に新垣エリナの恋人役になってもらってんだよ」
「あ、そっか…なるほどプール作戦だ」
「そうそう」
プール…?何だかよくわからんが、俺は適当に相槌を打ち
「でも何で俺を狙ってきたんだろ…」
マイクロSDをかざして目を細めた。
「気味悪いよね……頭が良いって言うかさ……田崎センパイなんて無関係の人を…うまく利用するなんて
卑怯だよ」
川上は拳を握ると小さく震わせた。
「まぁストーカーの心理なんて俺らには理解できねぇって。
それよりも淫行コーチのヤツ…鴇田が新垣さんの本当の恋人じゃないって気づいたんじゃないかな」
「龍崎くんも違うし」
「俺との方が自然だ?
それにあいつが一度カフェに来た時、俺が追っ払おうとしてたから―――
そんときから勘違いしてる節はあるよな」
「ねぇこんなのイタチごっこだよ。早く何とかしないとエリナ、本当にノイローゼになっちゃう」
「ああ、分かってんよ」
俺は額に手を置いた。
早く何とか―――ね。ちょっと脅せば何とかなりそうだったが、思った以上に根が深い。
それよりも
この手口―――
他人を……全然関係ない第三者を使って俺たちの行動を監視するやり方―――
白へびのやり方と似ている。
何故だかそう思えた。



