「お前…新垣エリナに付きまとってるらしいじゃねぇか!」
ビシっと指さされ
あー…なんかこれ前にもあったような…
今度は新垣さんのファンか。
「デジャヴ?」
川上の方を目配せすると川上も軽く肩をすくめた。
「モテる男は辛いね」なんて言われて俺も肩をすくめる。
「勘違いだ…」
釈明するように言いかけたが
「テニス部のコーチが教えてくれたんだよ!お前を尾けてたら必ず何か人に言えないことが出てくるから
それを写真に撮って証拠にしろって!
それで新垣 エリナを解放してやれって!!
爽やか王子を気取ってるのも今のうちだ、龍崎」
田崎の言葉に俺と川上は今度は違った意味で固まった。
テニス部のコーチ……何でヤツが…
俺は田崎に一歩近づくと
田崎はよっぽど俺の形相が怖かったのか顔を青ざめさせて一歩後退した。
「何を撮った」
図書館に居るときは気づかなかった。
けど
記事を探している場面を撮られたら、変に勘ぐられるかもしれない。
田崎は答えない。
俺が田崎に詰め寄りスマホを奪うと、中からマイクロSDカードを取り出し。
「悪いがこれは預からせてもらうぜ?」
「な……!返せっ」
田崎が手を伸ばしてきたが
パシッ
俺はその腕を掴んで軽く捻りあげた。
田崎は驚きの声を挙げ、そしてすぐにその声を苦痛の声に変えた。
「いてっ!痛てぇって!」
「いいですか、田崎センパイ」
俺は田崎の耳元でわざと丁寧に切り出した。
だけど次にドスを効かせて
「これ以上俺に付きまとったら一生バスケットボール持てんようにしたるさかい
覚悟しいや」
田崎を睨むと、田崎は顔をさらに青ざめさせて俺から腕を離すと、
一度も振り返らず「ひ、ひぃ!」と。これまた安っぽいコントみたいな叫び声を挙げて逃げて行った。
それにしても淫行コーチめ。
バスケ部のエースを使って俺の強請のネタを探してるとは―――
一体何を考えてやがる。



