。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。





「龍崎くん!」


川上が俺の後を追いかけてきて、俺は駅の方へと指さし。


「川上!お前は走って駅まで向かえ!悪りいがその記事は持っていってくれ」


俺は川上が抱えている記事も指さすと、川上は一瞬だけ立ち止まって手の中にある記事のコピーと俺とを見比べる。


走り去る男はどう見ても小者以下。


スネークや白へびの手下とは到底思えなかった。



だが―――俺が何を探ってるのか勘ぐられるのはマズイ。


俺は川上の返事も聞かずに再び前を向いて走り出した。


が―――


相手はかなりの足の速さだ。


おまけにこの時間帯、帰宅する社会人で道はごった返しになっていた。


ヤツはその人の波を器用に避けて走り去る。


「くそっ!」


どんどん遠ざかるその見も知らない男の背中を目で追って、俺は視線を辺りに彷徨わせた。


ちょうど近くに部活帰りだろうか、


自転車を引きずっている女子高生らしき女が二人、通った。片方は歩きだ。


どうやら徒歩で帰る友人の付き合いをしているようだ。


これだ!


俺は女子高生に近づくと、自転車のハンドルを奪った。


「ちょっ!」


女は目を開いて抗議したが


「悪いがちょっとの間、借りるで♪」


俺が小さくウィンクすると


「「はい♥」」


二人は揃ってぽぉっと返事をして、



ふっ


チョロいぜ。




俺は内心で薄ら笑いを浮かべ、その自転車にまたがると再び男を追い始めた。