中にどんな敵がいるのか見当もつかないが、戦場では常に危険と隣り合わせだ。


私は拳銃を握り直し、ドアノブに手を掛けた。


それと同時だった。





ガタ…ん




扉ががたついた音を立てて勢いよく内側に開く。


あまりの勢いにドアノブを握っていた私はそこから手を離すタイミングを逃し、そのまま倒れるように前のめりになった。







「よーぉ



朔羅。





待ってたぜ?






デートはまだ終わってないぜ?





デザートをまだ食ってねぇからな」







私を受け止め、真正面から見下ろしてきたのは


スラリと背が高く、そのしなやかで美しい肢体と、彫刻のように完璧な美しさの顔を併せ持つ






少年だった。




名乗らなくても分かる。


この男がさっき響輔が電話をしていた相手












カイ―――……