侵入者が入り込めるということは、そこから外へ出られるということだ。


まだこの病院の構造を把握し切れていない私にとって、それは願ってもない客だった。


そいつと接触し、脅すなり何なりして出口まで行こう。


そう決意してタブレット端末の光を目で追っていると、突如またも違う色の光が登場した。


侵入者が―――二人になった―――?


もう一人の侵入者は西棟の一階部分……から突如現れた。


どちらと接触しようか。


悩んだが、新しく侵入してきた方を選んだ。


場所がこちらの方が近い。


私はタブレットを持って駆け出した。





――――


――


タブレットを頼りに侵入者の光を追ってたどり着いたのは、そこから数メートルも距離がないところだった。


最初の侵入者より移動のスピードが速かったおかげだ。


侵入者の光はふっと止まった。


ここ――――……?


私はその部屋を見上げると


そこは〝TOILET”になっていた。しかも表示はMan。男子トイレだ。


タブレットをそろりと床に置き、私は拳銃を取り出した。


コト…



中から小さな物音が聞こえてきて、私は壁に身をひそめた。