キョウスケはあたしの答えに黙り込み、
キリさんとドクターは顔を見合わせていた。
「お忙しい方ですからね」
キリさんが慰めるように言ってくれたけど、何の慰めにもならないよ。
戒に抱いた種類とは違ったものの悲しみが押し寄せてきて、その悲しみの重圧に押しつぶされそうだった。
母さんも親父も死んじゃって、雪斗からあたしを守ってくれた、たった一人の人―――
ずっと一緒だと思ってたのに、
会いたいときに
貴方はいない。
ううん、あたしがそう導いたんだ。
あたしが叔父貴を突き放した―――
あたしが悪いのに―――行き場のない悲しみをどうすればいいのか分からなかった。
「とりあえず着替えなさってください。汗もかいてらっしゃるだろうし。
シャワーは浴びてもいいんですよね?先生」
キリさんがあたしの不安や悲しみを読み取ってか、何でもないようにバッグからタオルやら着替えを取り出す。
「ええ、もちろん。ただの日射病ですし、そこまで制限はありませんよ」
ドクターも珍しくこの微妙な空気を読み取ってか、いつも以上にまともな言葉。その言葉にあたしはシャワーを浴びることを決めた。
熱いシャワーでも浴びればちょっとはこのじめじめした気分がさっぱりするよ。
なんて、安易な考えかな?
でもそれしか思い浮かばない。



