検温だと言ってきたドクターはその言葉に嘘がなかったようで、白衣のポッケから体温計を出してあたしの脇へ突っ込んだ。
ついでに血圧を測られながら
「ところでキリさん、あなたはどういった御用で?」
とキョウスケが切り出し
「会長から朔羅さんの荷物を持ってくるよう頼まれたのです」
キリさんはそう言ってブランド物の高そ~なボストンバッグを
どすっ
これまたたった一日の入院だってのに何が入ってる、ってぐらい大きな荷物をベッドの上に置いた。
それを、叔父貴から―――
「どうして本人じゃないんですか」
キョウスケがさらに突っ込んで聞いて
「きょ、キョウスケ……!もういいよ…
叔父貴はこないよ―――」
あたしはキョウスケの袖を引っ張って、キョウスケを止めた。
叔父貴はまだ怒ってるんだよ。
あのホテルであった一件を―――
『顔も見たくない』って言われたし。
夢で叔父貴に会ったけど、それはやっぱり夢で―――
「叔父貴はあたしに会いたくないんだよ」
言っててまた胸がズキリ、まるでアイスピックで刺されたように痛んだ。



