長いようで短い夢から覚めたとき―――周りの景色はさっき運ばれてきたときと何ら変わらないものだった。
つまりは病院だってことで、腕に刺さった点滴もそのまま。
点滴薬のせいで腕が冷たい気がする。
「目覚められました?」
ぼんやり滲む視界の向こう側―――キョウスケの顔が浮かんだ。
キョウスケは何か本でも読んでいたのか、その書物をパタンと閉じるとあたしのベッドに歩いてきた。
「おはようございます」
もう一度、あたしを覗き込んできて
「――――……うん……
ここは……やっぱまだ病院……?」
重い瞼をなんとかこじ開けて問いかける。
瞼どころか頭も体も全身が重い。
異常なだるさだったが、日射病の影響だと考えればおかしくないのかな…
「まだ病院です。今日は一日入院ですよ。
俺が付き添ってますので、どうぞお休みください」
そう言われても……なぁ。
「戒は……?帰った……?」
気になっていたことを聞くと、
「ええ。帰りましたよ」
そっか……
やっぱ
喧嘩しちゃったことは、夢じゃなかったんだな―――