どうする俺!
後ろを振り返れば間近に迫った赤外線レーザーの波。
前を向けば間違いなくドーベルマンの餌。
究極の選択だぜ!
「響輔っ!」
思わず助けを求めたが
『俺にもさすがに無理です』と響輔の焦った返事が。
当然だよな。
何で犬笛のアプリをダウンロードしてないんだよ!←注:そんなものありません
ゥガアァ!!
涎を垂らしそうなドーベルマンを前にごくりと息を飲みこむと
カサっ
草を踏む僅かな音がして、
クゥン…
ドーベルマンは急に頭を項垂れると静かになった。
今がチャンス!
何だか分からんが助かっ
――――た イ ガ――――……
タイガはドーベルマンの頭を手慣れた手つきで撫でて
「火遊びは危ないよ?
ヒツジちゃん。
君にはまだ早い」
にやり
口の端で笑った。
何で
ここに?