『どうやらこの赤外線は手動によるものじゃないです。
熱探知機が搭載されていて、一定以上の熱を感知すると作動する仕組みです』
どーでもいいって、そんなこと!
『つまり外からの侵入は不可能…』
なるほど…ドクターがスイッチを入れたわけでもねぇってわけか。
て納得してる場合じゃねぇっって!
「分かったから早くしろ!」
せっかちに急かすと
『戒さん、この病院のセキュリティシステムに侵入できました。
けれど1分が限界です。
解除した後、速やかに移動してください』
「Copy that」
俺は返事をして言われた通り前に進む態勢を整えた。
響輔の言葉通り赤外線レーザーが解除され、俺は糸の切れたマリオネットのように途端に力が抜けた。
けど
今は脱力してる場合じゃねぇ。
急げ俺!!
響輔のナビ通りで、迷わず進むと一番近くの出入り口に一分を少し残して到着することができた。
ガコンっ
出口の格子をはずすとすぐに
ぐぅるるるる
がるるるぅるる
これまた良く訓練されていそーなドーベルマンが俺をお出迎え♪
「出迎えサンキュ♪」
なんて手を振ってみたが
そんなこと言ってる場合じゃねーーー!!