ネズミ―――…
ネズミって何のことだ?
それが文字通り鼠のことを言ってるわけではないことぐらい俺にも分かる。
二人の中で存在する隠語なんだろうけどよ。
でも…
ふーん
「ネズミならディズニーランドに行きゃ会えるぜ?」
と心の中で突っ込みながら、頬杖を突いて俺は二人の様子を観察。
二人の関係は幼馴染と言うよりも、何か悪い意味での共犯者的な匂いがぷんぷん漂っている。
腹に一物も二物も抱えた悪人同士って感じだ。
でもその二人は‟黄龍”と‟ネズミ”の参入で、今は仲たがい状態。
そう印象を受けた。
俺はタイガとドクターを指さし
「スネークと、白へび?どっちだ…どっちがスネークなんだ」
この二人に疑いがあるのは間違いないんだが、この会話で二人の正体は掴めない。
俺は会話に耳をそばだててヒントを得るのに必死。
タイガの方が優勢に見えた。ドクターは知らぬ存ぜぬを通しているようだが、
何かを知っていそうだ。
叩くならドクターだな。
そう決め込んでドクターの頭頂部を眺めていると
ふっとやつが顔を上げた。
………!
一瞬の差で俺は慌てて頭を引っ込めたが、
心臓がドキン、ドキン!と早鐘を打っている。
「どうした?」
タイガの声が聞こえ
「いや。子ネズミが一匹屋根裏に侵入したようだ」
ドクターはさっきの苛立ちから一転、どこか楽しそうに笑って、
その声は狭いダクト内に響いた。



