白衣姿のドクターは回転椅子に座り、脚を組みパソコンに向かっていたが
「しつこいな君も」
と、誰かの問いかけにそのままの姿勢で回転椅子を回しパソコンから目を逸らした。
背もたれに深く背を預け、腕を組み鬱陶しそうに顔をしかめている。
随分と横柄な態度だった。
俺が見たことのないその態度に―――俺はちょっと目をまばたいた。
誰か居るのか?
狭い通気口ダクトの中で、物音を立てないよう慎重に体を動かして
俺は下の様子をうかがった。
格子のように縦横に走った鉄の枠から、ドクターと―――
タイガ
の姿が見えて、俺は目を細めた。
タイガの方もドクターと負けず劣らずな横柄な態度でふてぶてしそうに腕を組み、ソファの背もたれに腰を下ろしている。
「もう一度だけ聞く。
彼女の……〝黄龍”が倒れた理由は日射病なのか?」
タイガは……こっちも俺が普段聞くよりも数段低いトーンの声で真面目に聞き、
「日射病だ。私に誤診なんてない」
ドクターの方も自信満々に言い切った。
日射病―――
黄龍
朔羅が〝黄龍”であること―――
二人の会話で、二人がその事実を知っていることが分かった。



