「朔羅!」
「お嬢…」



またも誰かに声を掛けられ―――


ううん、今度ははっきりと誰の声か分かった。


戒とキョウスケ―――?





ぱっと目を開くと、眩しいほどの白い天井をバックに戒とキョウスケがひどく心配したような顔であたしを覗き込んでいて


寝起きにイケメン二人に見つめられて心臓が飛び出そうになった。


「ぅわっ!」


ガバッ!


思わず飛び起きると、


「な、何!?ここはどこ!!


あたしは誰!!?」


………


「って…龍崎 朔羅に決まってんだろ!何ボケてんだあたし!!」


一人ノリ突っ込みをかまして額を叩くと、戒とキョウスケは二人して顔を見合わせ苦笑い。


「相変わらず炸裂やな」

「ええ、いつも通りですね」



イマイチ状況がつかめていないあたしは辺りをきょろきょろ。


ホントに…ここはドコ??


「日射病で倒れたんですよ、お嬢は」


キョウスケが説明してくれて


「あたしが!?」


イマイチ、リアリティがない。いつもの夢だと言われればそんな気もするし。


みょん


あたしはほっぺたを引っ張ってみたが


「痛てぇ」


夢じゃなかった。


「すっげぇ、イマドキそんな確かめ方見たのはじめてだよ」


戒は妙なところで感心。


「お前の頬、餅みたいだな」


ちょっと微苦笑であたしの頬をそっと包む戒。





「お前の頬、あったかい……




良かった。






ほんまに






無事で」








戒―――――