「「ぅわぁ!」」


俺と一ノ瀬二人して飛び上がった。


考えりゃ真昼間から幽霊なんて出るわけねぇし、その考えがおかしいんだって。


大体幽霊ごときに怖がってる俺、超!かっこわりぃし。


さっきまでかごめの歌の話なんてしてたから。


「どうしたんですか。二人して同じ反応して」


すぐ背後に突っ立っていたのは響輔で、怪訝そうに俺らを見下ろしてる。


「何だよお前!脅かすなよ」


ちらりとテレビの方を見やると映画のCMはもう終わっていて今は違う清涼飲料水のCMに切り替わってる。


「あ、あの飲料水のCM、やっぱ違う女優か」


響輔が目を細めてCMを眺めていて


「違う女優て?」俺が聞くと


「一結にも話が来てたらしいですよ?」


響輔からその名前を聞いてまたも意味もなく心臓がドキリと波打った。


「でも共演する俳優の〝気にそぐわなかった”みたいですね」


響輔は含みのある物言いで、腕を組み


「爽やかな面してますけどゲス野郎ですよ。あの女優とデキてる。てかヤってる」


お前の方が爽やかな顔して結構えげつねぇよ。


なるほど、それを断ったからか。


響輔の大胆発言にいかにも免疫のなさそーな一ノ瀬は顔を赤くして俯いた。


「チェリーくんの前であんま刺激の強いこと言っちゃ引かれちゃうよ?響ちゃん♪」


にやにや笑って響輔の肩を叩くと


「なっ!何でお前それをっっ!?」


「誰だってわかりますよ」と響輔は相変わらず冷たい。


さっきまでの異様な雰囲気はどこへやら、俺たち男三人の空気はバカ話のおかげかなごみつつあった。


「それよりお嬢が目覚められたようですよ?病室行きます?」


なごみつつ…


和んでる場合じゃねぇ!!



「お前!何でそれを早く言わねぇんだよ!




行くに決まってんだろ!!」




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