。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




聞いたこともないメーカーのしょぼい缶コーヒーを飲みながら、売店の前にある長椅子に並んで腰掛ける。


俺、何やってんの?


ライバルと一緒に隣り合ってコーヒーを飲む滑稽な姿が、売店のショーウィンドウに映し出されていた。


けれど


きっと一ノ瀬も朔羅のすぐ傍についていられなかったのは、龍崎 琢磨のあんな姿を見ちまったからだろうな。


今回は二人してあの男に





完敗だぜ。





何が「負け」で何が「勝ち」なのかわからないが、俺たちは間違いなく敗北した。


ヤツの背負っているさだめってやつに。


一ノ瀬は龍崎 琢磨の事情を知らないだろうが、あの表情から何かしら察するものがあったんだろう。


「朔羅が大事に至らなくて良かった…」


一ノ瀬はコーヒーの缶を手の中で包んで安心したように吐息をついた。


「ああ。お前が支えてくれたおかげで頭打たなかったから外傷もないしな。


サンキュ、な」


「――――…うん」


一ノ瀬は短く答えてコーヒーの缶を手の中で傾ける。


「俺たち……帰るとこだったんだ。


ちょっとごたごたがあって親父が家に帰ってたから、


朔羅はわざわざ付き合ってくれて」



一ノ瀬はゆっくりとしゃべりだした。





「親父――――……てマルボウの?」




俺はコーヒーを飲む手を休めた。