まぁ俺らは見慣れてるけど、一ノ瀬にはキツいかもな。
「じゃぁ俺が一ノ瀬くんを出口まで送っていきますよ。戒さんはまだここにいてください」
響輔がエレベーターホールの方を指さし、
「キョウスケさん!♪」と一ノ瀬は目を輝かせた。
ところが
パタン
病室から出てきた鴇田が
「キョウスケ、ちょっといいか」
と反対方向を顎でしゃくる。
鴇田?響輔に何の用があるってんだよ。
俺は訝しんだが、響輔は小さくため息を吐いたものの、ほとんどあっさりと
「分かりました。すみません戒さん、やっぱりお願いしていいですか?」
と、俺の返事も聞かずに鴇田の方へと歩いていく。
「どっちでもいいよ。俺を出口まで導いてくれるのなら!」
一ノ瀬は涙目で俺に縋ってきて、
「しょうがねぇな」
結局、俺が一ノ瀬を送ることになった。
と言っても出口までのつもりだったが、
俺も一ノ瀬も朔羅が倒れるという思わぬ事態で緊張していたのか喉はカラカラ。
さっきあんだけファミレスでコーヒー飲んだってのに。
「売店で良けりゃ、何か奢るけど?お前にはいろいろ世話になったし、何か飲んでくか?」
病院の出入り口が見えたところで一ノ瀬は安心したのか
「じゃぁ、お願いシマス」
と恥ずかしそうに顔をそらした。



