俺は両手をポケットに突っ込みながら、一ノ瀬の隣に腰掛け、
「朔羅、日射病らしい……って聞いたか…」
さっき電話越しとは言え怒鳴っちまったしな、何だか気まずくて俺はまともに一ノ瀬の顔を見れなかった。
まぁ男だし?大してフォローも必要ねぇか。とか思ったけど
やっぱ
「悪かったな、さっきは。怒鳴ったりして」
ちゃんと謝らないとな。
ぶっきらぼうに言うと一ノ瀬は俯いたまま、指先を何度も組み換え床をじっと見下ろしている。
「龍崎―――……」
声が僅かに震えていて、さっきのショックから抜けられてないのかと思った。
「悪かったって。いきなり怒鳴ったりしてよぉ。
でもこれが俺だし」
謝る姿勢じゃないよな。でも正直そこまで男に気を遣えねぇし。
「戒さん、それは謝ってるうちに入りません」
響輔にも指摘された。
「龍崎…」
またも妙にビブラートがかかった声で呼ばれて
「何だよ、謝ってんだろ?お前案外根に持つタイプ?」
そろそろ俺だってなぁ
言いかけたときだった。
「龍崎!頼む!!
出口まで一緒についてきて!!」
顔を上げた一ノ瀬はリアルに半泣きで顔を青くして、俺に必死に縋ってくる。
はぁ?
「さっきから怖いおじさんやおにーさんがウロウロしてて!俺、無事に出られないかもっ」
ああ、そっか。
ここがヤクザ専門の病院だって言ってなかったな。
俺は思わず響輔と顔を合わせて二人して肩をすくめた。



