。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。




パタン…


俺は朔羅に声も掛けずに部屋を出た。


響輔も同じように俺の後についてくる。


「いいんですか?声を掛けなくても…」


「無事だと分かったし、今はいいや…


起こしちまうのも悪いしな」


俺は何とか作り笑いを浮かべた。


本当は



龍崎 琢磨が朔羅の手に触れるのもイヤだ。


けれど



あんな光景―――……あんな表情で朔羅を見つめていたら


さすがに何も言えない。



俺は


俺には朔羅との未来が待っている。


この先何十年と。望めば一緒にいられる。


けれど龍崎 琢磨は――――……


考えて少しだけ気分が暗くなった。


同じように廊下のベンチで俺よりも暗~い影を背負っていた一ノ瀬。


あ、そうだった。こいつのこと忘れてたぜ。