動揺を隠すためにか、響輔はグラスを手に取ったが生憎だがグラスの中のコーヒーは空だった。
まだ確定じゃないが、大きな謎が解けつつあってそれを見つけた興奮からか俺も喉がカラカラだ。
けれど俺の方のコーラもなくなっている。
二人して席を立ちドリンクバーのコーナーに向かった。
その間に幾分か冷静さを取り戻したのか響輔がグラスに氷を入れながら
「けど……だからと言ってその事実が大狼さんがスネークだった、と結びつけるには何の証拠にもならないですよ」
と言い出した。
「確かにそうかもしんねぇけど。伊予原 椿紀のメールは暗号化されてたんだろ?
知られたくないってこと、隠してるってことは確かじゃん」
「あの妙な性癖こそ一番隠してほしいところですけどね」
響輔は、はっきりと顔を歪めて俺のグラスの中にも氷を入れてくれた。
カラン……
乾いた音を立てて氷がグラスに落ち、
俺はまた違うことをふと思い出した。
「そういやタイガ……あいつ妹が居た…てか居る?のか…どっちか分かんねぇけどそんなこと言ってた……
いや、本人から聞いたんじゃないな。朔羅からだ……
その妹は小さい頃に水の事故で死んで……
まだ氷の中に閉じ込められてるとか何とか…」
「何ですか、それ」
響輔は思い切り不審そうに眉を寄せて
俺だって曖昧だし、そもそも朔羅の話もタイガから直接聞いたの半分、夢で見たの半分だからどこまでホントウかなんて分からない。



