最後に写真を撮られて、でもさすがに掲載されるとマズい。


そりゃ、『モデル扱いしてくれて嬉しい!♪』て、ふつ~な女の子の考えだってあるけど


これがバレたら叔父貴に何て言われるか。


ぜってぇ雷が落ちてしばらく停電だ。(あたしの心の中だけ)間違いない。


戒は面白がりそうだけどな。


色々質問に答えてしっかり写真まで撮られた後になって言う言葉じゃないが


「あの…あたし、うちが厳しくて(←あながちハズレてはいない)


雑誌に載っちゃったりとかしたら、ホゴシャに怒られるんです」


しおらしく言うと


「大丈夫よ!


掲載するかどうかは事前に必ず本人に確認取るから。もし掲載する場合でも保護者さんの承諾を必ず得てから、って決まりなの。


あなた見たところ未成年者だしね。


一応連絡先だけ聞いていい?」


またもハキハキ言われてあたしは「ケータイならいっか」と言う軽~い気持ちで、ナンバーを教えた。


そのナンバーをメモしながら


「元人気モデルで今は女優の“you”って知ってる?


彼女も読モからはじまったのよ」


女の人の何気ない一言で、あたしは目を開いた。


ドキン…


と、心臓が鳴る。


「そう言えばあなた、youに少し似てるわね」


女の人は手帳を閉じながら、他意のない笑顔であたしに笑いかけ、だけどその表情を変な風に固まらせた。


「……ごめんなさい、私何か気に障ること言った?」


あたし…


今、どんな顔してるんだろう。


きっとさっきカメラの前で見せたぎこちない笑顔の欠片も浮かべられていない。


この人は編集者で…記者か?どっちか分かんないけど雑誌社に勤めてる人で、イチのこと知ってても不思議じゃないってのに


どこかでイチに繋がってると思うと


何だかすべてが偶然だと思えなくなる。