龍崎組と反対方向に向かうのは、途中で響輔から呼び出しを食らったから。
どうやら家では話せないことを話したいらしい。
当のご本人は俺がバイトで疲れてるってのに、浜松町のファミレスに来いとか言うし。
「ったく、あいつも何でそんなところに。
てか、東京の電車複雑過ぎるんだよ」
慣れない地下鉄とJRの乗り継ぎに路線図を何度も確認せざるを得なかった。
でも今日の俺は超ご機嫌☆
響輔の我侭(?)にも笑顔で付き合える♪
ようやく目的の駅について、だけど目的のファミレスは案外簡単に見つけることができた。
響輔は窓際の喫煙席で、テーブルに広げたノートと睨めっこ。
「よ」
軽く声を掛けると、響輔は相変わらずの無表情でゆっくりと顔を上げた。
こっちは俺のご機嫌とは反対に、随分難しそうな顔を作っている。(一見して無表情に見えるけどな、俺には分かんだよ)
「お疲れ様です」
テーブルの上には飲みかけのアイスコーヒーのグラスが一つ。灰皿にはタバコの吸殻が三本ほどあった。
「お前、全然『お疲れ様』とか思ってねぇだろ」
嫌味ったらしく四人がけのボックス席の向かい側に座ると、
それと同時に
「お待たせいたしました。山盛りポテトフライでございます♪
ドリンクバーのお飲み物はカウンターにございますので、ご自由にお持ちください」
とウェイトレスがポテトフライの皿を運んできて、にこにこドリンクバーのカウンターを目配せ。
「お前、頼んだの?」
めっずらし~と言う意味で目をぱちぱちさせていると
「それは戒さんに。バイトの後だし腹減ってるだろうと思いまして。
どうぞ、俺の驕りです」
響ちゃん……
タイミングと言い、恩着せがましくない程度のさらりとした台詞と言い、
きゅん
「さっきの嘘。優っっし~!♪」
そしてかっこいいぜ!!!!
俺が女だったら間違いなく響輔に惚れてるな。



