「か、体を繋げりゃ何かが変わるとか!そんなんはないと思うケドな!


俺のお前に対する愛情かて絶対変わらんだろうし」


戒はさっきまで真剣だったのに、今は口元に手を当て顔を赤くしてちょっとあたしから視線を逸らす。


だけど途中で思い直したのか、顔を真正面に振り向かせて


「や。しちまったらきっともっと…俺、朔羅のこと―――」


戒が最後まで言い切らないうちに、戒の言葉は



ガチャっ!


無情とも呼べる扉を開ける音でかき消された。



「ちょっと龍崎くん!何してんの!!お店混んできたのよ。早くホールに来てちょうだい」


おネエ店長が無遠慮に入ってきて、


バタン!!!!ガンっ!!


あたしはロッカーの扉を思い切り戒にぶつけて離れた。


「ぶべっ!!!」


戒の変な声を聞きながら、


「な、ナニもしてません!!!」


あたしは聞かれてもないのに挙手。


おネエ店長が不思議そうに目をぱちぱち。


あたしはまだ鼻を押さえて蹲っている戒に


「じゃね!あたし図書館行ってくる!千里待たせてるし!!」


と妙に説明くさくバイト先を飛び出した。